
かつてレヴォルディアと呼ばれていたその国は未曽有の大災害に襲われた。
多くの被害と犠牲者を出した災害だった。
その窮地の中、根気よく民を導いた者がいた。
魔狼ヴァルガである。 レヴォルディア国王クロアをはじめ
その一族が絶えてしまったため、 ヴァルガが国王に即位し、国名を彼の名前から取って、ヴァルスニア魔王国 と改めた。
復興を目指す魔王国に再び災厄が降りかかった。 一人の男が天界の軍勢を率いて侵攻してきたのだ。
圧倒的な力を持つスレイア。
魔族軍とスレイア軍の熾烈な戦いは数ヶ月にも及んだ。
互いの戦力も尽きかけた戦況で、スレイアは自身の全てを賭けた攻撃を仕掛 けてきた。 己の身もただでは済まず、
魔王国の領土も破壊するような強力な一撃を。
だが、それは国王ヴァルガによって阻まれた。
ヴァルガは魔王国の中でも飛びぬけた戦闘能力を持っていたのだ。 スレイア軍を退けることには成功したが、ヴァルガは息絶え、激戦の末、国 は焦土と化した。
国王や多くの戦士を失い疲弊しきった魔族を別の衝撃が襲った。 国の要である魔水晶の1つが奪われたのだ。 魔水晶は6つあり、ダークマテリアを生成する。 ダークマテリアから放出されるエネルギーが魔王国を支えている。 魔水晶は魔族のみが適正に利用できるもの。 他の種族が触れれば危険な拒否反応を起こす。 スレイアがその拒否反応を利用することを目的に盗み出したのだった。
スレイアが次の獲物に選んだのは人間界だった。 魔水晶を利用し人間界を汚染し支配しようと企む。
同じころ国を再建するために立ち上がった魔族がいた。 奪われた魔水晶を取り返し、スレイアの野望を打ち砕き、亡き国王の復讐を 果たすために。 勇者であり偉大な王、ヴァルガの意志を継ぐ者たちが今宵人間界へと降り立 つ。
彼らの名は、《神飢狼》。